交通事故の被害者側に特化した札幌の法律事務所

桝田・丹羽法律事務所

所内検討会

2017/06/16

当事務所では、交通事故事案について、毎月、所内検討会を行っています。
成功事例、新奇事例、困難事例等について、各自、発表して、情報を共有化することで事務所全体の力を高めています。
 
6月の所内検討会では、以下の事例が取り上げられました。
 
・自賠責非該当にもかかわらず、訴訟において、14級前提の和解が成立した事案
・自賠責非該当にもかかわらず、訴訟において、12級前提の和解が成立した事案
・TFCC損傷の事案
 ①自賠責非該当で、10級前提で訴訟提起している事案
 ②自賠責で、10級が認定された事案
 ③自賠責で、12級が認定された事案
 ④自賠責非該当で、これから異議申立を行う事案
・海外旅行中に交通事故被害に遭った事案
・主治医に後遺障害診断書の全面的な書き直しを依頼した事案
・保険会社の対応が明らかに不当な事案
 
TFCC損傷が問題となっている事案は、事務所内で、現時点だけで4件取り扱っており、後遺障害診断書の記載内容や自賠責の判断内容を比較することができました。
 
当事務所は交通事故に特化していますので、同じ傷病名での後遺障害の申請の仕方等を比較して検討することが出来ます。
TFCC損傷のような必ずしも一般的ではない傷病でも、一時に数件取り扱っている状況です。
一般的な頚椎捻挫、腰椎捻挫の後遺障害は常に数十件取り扱っている状況です。
 
定期的に所内検討会を開催して、情報を共有化して、ノウハウを蓄積することで、交通事故被害者のお力に少しでもなれるよう尽力しております。
 
弁護士 丹羽 錬

死亡事故における内縁の配偶者の慰謝料について

2017/05/30

民法711条は、「他人の生命を侵害したものは、被害者の父母、配偶者及び子に対しては、その財産権が侵害されなかった場合においても、損害の賠償をしなければならない。」と規定しています。
この条文からすると、被害者が死亡した場合に慰謝料が請求できるものは、被害者の父母、配偶者、子に限られるとも考えられます。
 
この点に関して、昭和49年12月17日最判は、「被害者との間に民法711条所定の者と実質的に同視しうべき身分関係が存し、被害者の死亡により甚大な精神的苦痛を受けた者は、同条の類推適用により、加害者に対し直接に固有の慰謝料を請求しうる」と判示しました。
この事案では、実際に、約20年に渡って、被害者と同居し、被害者の庇護のもとに生活を維持していた身体障害を有する被害者の夫の妹に慰謝料請求が認められました。
 
同最判によれば、以下の2要件を満たす場合には、父母、配偶者、子以外の者にも固有の慰謝料請求権が認められるということになります。
①民法711条所定の者と実質的に同視しうべき身分関係があること
②甚大な精神的苦痛を受けたこと
 
内縁の配偶者においては、①②いずれも満たすと考えられますので、裁判例においても固有の慰謝料が認められています。
 
裁判例で内縁関係が認められるか否かは、概ね以下の要素で判断されています。
・同居していること及びその期間
・同一家計であること
・親族や勤務先等対外的社会的に夫婦として扱われていたか
 
内縁の配偶者と認められた場合の慰謝料の金額についてですが、一般的には、父母や子に認められる固有の慰謝料の金額より高額である場合がほとんどです。
理由としては、実質的には配偶者と同視できるものの、被害者本人の損害賠償請求権を相続により取得できないことから、特に保護する必要性が高いということにあります。
 
具体的には、以下のとおり、慰謝料総額に占める割合が3分の1から5分の1程度と認定されています。
裁判例によっては、2分の1を越える金額が認定されています。

 
   慰謝料額(括弧内は総額)
 大阪地判27.10.14  金600万円 (金2400万円)
 大阪地判27.4.10  金100万円 (金2800万円)
 岡山地判27.3.3  金300万円 (金2800万円)
 大阪地判21.12.11  金1300万円 (金2300万円)
 大阪地判21.9.30  金800万円 (金2400万円)
 東京地判12.9.13  金500万円 (金2400万円)
 大阪地判9.3.25  金1000万円 (金2500万円)

内縁の配偶者の慰謝料については、赤本や青本に金額の目安が記載されているわけでもなく、慰謝料総額に占める割合が法定されているわけでもありません。
裁判官による判断のブレが大きいといえますので、主張、立証を的確に行う必要があるといえます。

裁判官によっては、1000万円を越える慰謝料を認定をしているケースもありますので、内縁配偶者の方は、諦めることなく専門家に相談すべきといえます。
 
弁護士 丹羽 錬
 

むち打ち症の症状の証明について

2017/05/15

交通事故に遭われた後、むち打ち症により、首・肩・背中・腰等の痛みや、手足の痺れ等の症状が発生することがあります。
しかし、痛みや痺れは外見からは分かり難く、周囲の人にも正確に理解してもらえないことが少なくないです。
 
交通事故後の後遺障害認定や、裁判等の場面でも、被害者の方が訴える痛みや痺れ等の症状を、被害者ご本人の証言以外の手段で、如何に証明するかが大きな問題となります。
(ご本人の証言だけでは、自賠責保険でも、裁判でも重要視されません。)
 
被害者の方が訴える症状については、以下のとおり、他の客観的な事実と整合していることを明らかにすることで証明することとなります。
 
①自覚症状
被害者の方の訴える痛みや痺れ等の症状、すなわち自覚症状がどのようなものかということです。
まずは、被害者ご本人の証言が症状立証のスタート地点となります。
この自覚症状が、以下説明する客観的な所見等と整合しているか否かが大きなポイントとなります。
 
②画像所見
レントゲンの画像やMRIの画像に、事故により発生し①の自覚症状を裏付ける所見(椎間板ヘルニア等)が認められるか、すなわち自覚症状を裏付ける画像所見が存在するか否かが大きなポイントとなります。
 
後遺障害認定等の場面では、MRI画像上の所見が重視される傾向にあります。
また、MRI画像上の所見が交通事故によって発生したものであるか(外傷性のものであるか)を示す所見(画像上の信号など)は、事故後、短い期間で消失してしまうことが多いです。
したがって、事故から一定期間内(2ヶ月程度以内)にMRIを撮影しておくことが重要となります。
 
③神経学的所見
①の自覚症状を裏付ける神経学的所見が認められるかも大きなポイントとなります。
神経学的所見とは、医師によりなされる検査(部位によりさまざまな検査があります。)の陽性所見です。
したがって、症状が強く、なかなか軽快しない場合には、医師に神経学的検査をしてもらうことも重要になります。
 
④事故態様
事故態様も非常に重要です。
事故態様、車両の損傷状況(修理費)から、大きな事故であること、事故により被害者の方が大きな衝撃を受けたことを説明します。
そして、そのような衝撃であれば②の画像所見が生じたり、被害者の方に①の自覚症状が生じても不思議ではないということになります。
 
⑤通院状況、治療内容等
事故後の通院状況や治療内容もポイントです。
症状が強く辛い場合には、治療に行く期間や回数が多いはずであり、治療期間や通院回数が多いのは、①の自覚症状があるからだということに繋がりやすいです。
また、治療の内容も自覚症状を裏付ける重要な事実となります。
例えば、ブロック注射を定期的に受けていたということになれば、痛みがそれだけ強かったということの証明になります。
 
ただ、症状が強くて辛いにも関わらず、仕事等の事情でなかなか治療に行けないという被害者の方が多いのも事実です。
しかし、後遺障害認定等の場面では、そのような事情をあまり考慮せず、機械的に治療期間や通院回数を見て判断しているのが実情です。今後改善されるべき点でもあります。
 
以上の要素を基に、被害者の方の痛みや痺れ等の症状を証明していきます。
 
これらにより、被害者の方の症状が医学的に説明できる場合には、14級9号(局部に神経症状を残すもの)が、後遺障害として認定されることになります。
被害者の方の症状が医学的に証明できる場合には、12級13号(局部に頑固な神経症状を残すもの)が、認定されることになります。

「説明」と「証明」、似たような言葉ですが、後遺障害の認定の場面では、その意味が大きく異なっています。
 

繰り返しになりますが、痛みや痺れは、通常、目に見えません。
被害者の方の痛みや痺れ等の症状を証明するには、専門的知識を持った弁護士のノウハウを活用することが重要です。
ご心配がある方は、お気軽にご相談下さい。
 
弁護士 水梨雄太

プロフィール

当事務所は、交通事故の被害者側に特化した法律事務所です。交通事故事件に関する十分な専門性・知識・経験を有する弁護士が事件を担当致します。
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