交通事故の被害者側に特化した札幌の法律事務所

桝田・丹羽法律事務所

  • 後遺障害

早期に症状固定の診断を受けてしまった事案について

2018/01/09

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沢山の交通事故事案を取り扱っていますと、あまりないケースですが、被害者の方が症状を強く訴えているにも関わらず、医師が短期間で症状固定の診断する事案を目にすることがあります。
 
最近もそういった方がご相談にいらっしゃいました。
 
その事案は、修理費が30万円を超える程度の追突事故でした。
被害者の方は、頚部痛、上肢の痺れ等の症状を医師に強く訴えているにも関わらず、医師が約2ヶ月で症状固定の診断をしていました。
大変お困りになって、治療を続けたいとのことでご相談にいらっしゃいました。
 
正直、医師が治療の必要がないと診断しているため、弁護士としても非常にやりにくいケースです。
 
実際に、その医師に話を伺いましたが、十分に了解できる明瞭な説明はなく、「自賠責での治療は終了」の一点張りで、協力を得ることは出来ませんでした。
 
しかし、事故態様、症状、被害者の方のご年齢からして、2ヶ月の通院期間はあまりにも短すぎましたので、加害者の保険会社と交渉して、他院に転院して通院を継続することを認めてもらいました。
 
もっとも、転院した他院でも3ヶ月程度で、症状固定と診断されてしまいました。
加害者の保険会社と交渉しましたが、流石にそれ以上の通院の継続の了承は取れませんでした。
 
それで、被害者の方と十分に協議して、争いにはなるものの、自己負担で更に他院に通院して、最終的に治療費については、加害者の保険会社に請求してみることとしました。
この場合、最終的に自己負担した治療費を相手方保険会社が確実に支払うかは分からないということになりますが、その点についても十分に説明をして、ご理解頂きました。
 
後遺障害については、更に転院した病院で後遺障害診断書を最後に書いてもらえれば、その後遺障害診断書で申請することと致しました。
 
被害者ご本人は、症状が根強く継続しており、治療を受けることで多少なりとも改善する状況が続いていましたので、最終的に事故から1年半ほど通院されて、その時点で症状固定の診断を受けることとなりました。
転院した先の病院の医師が後遺障害診断書を作成して下さるとのことでしたので、医師に後遺障害診断書を作成してもらい、自賠責保険会社に後遺障害の被害者請求を致しました。
 
そうしたところ、最終的に後遺障害等級14級9号の認定を受けることができました。
 
この事案は、最初の病院の医師の判断の時点で、諦めてしまっていたら、後遺障害の認定を得ることはできませんでした。
また、2番目の病院の症状固定時に後遺障害の申請をしていても、恐らく認定にはなっていなかったと予想されます。現状、後遺障害認定を行っている損害保険料率算出機構では、通院期間が6ヶ月に満たない場合には、認定を得ることが困難だからです。
 
治療費が全て自己負担になり、かつ後遺障害の認定を得られない可能性があるものの、それでも症状に苛まれていたため通院を継続したが故に、後遺障害の認定が得られたケースでした。
 
我々弁護士も、医師が「治療が必要」と判断してくれているケースでは、保険会社と強く交渉をしていくことができます。
 
しかしながら、医師が治療が必要ないと診断しているケースは、かなり苦しいです。
 
ただ、個々の医師の判断が、常に正しいわけではありません。
残念ですが、交通事故での治療についての理解が不十分な医師が一部に存在することも事実です。
 
どう考えてもおかしいという程度に、早期に治癒だとか症状固定の診断をされてしまった場合であっても、状況によっては、転院して通院を続けるなどして、後遺障害の認定を受けられることもあります。
 
事故の大きさに比べて、医師からあまりにも早い段階で治癒や症状固定の診断を受けてしまったという場合でも、工夫次第で対処できる場合がございます。
事故の大きさの割に、あまりにも早い時期に治療終了とされてしまったような場合には、お気軽にご相談下さい。
 
弁護士 丹羽 錬
 

同一部位に関して、過去の交通事故の際、既に後遺障害の認定を受けている場合について

2017/09/24

CIMG2260.JPG交通事故により、通院を継続しても、最後に後遺症が残ってしまうことがあります。
最近、以下のようなご相談を受けました。
10年以上前の交通事故(1回目)によって後遺症が残存してしまい自賠責保険会社による後遺障害等級認定を受けていたところ、今回の交通事故(2回目)により同じ部位を痛めてしまい症状が根強く残存しているというご相談です。
このような場合、再度、同一部位に関して、自賠責保険における後遺障害としての認定を受けることができるのでしょうか。
 
この点、自賠法施行令によれば、同一部位に新たな障害が加わったとしても、その結果、既存の障害が該当する等級よりも現存する障害の該当する等級が重くならなければ、自賠責保険における後遺障害として評価することはできないとされています。
 
自賠責保険の後遺障害は永続性を前提としていますので、原則的には、このような考え方でやむを得ないところです。
 
ただし、1回目の交通事故による残存した症状の程度が比較的軽度であり、1回目の交通事故と2回目の交通事故との間の間隔がかなり空いているような場合には、注意が必要です。
 
例えば、「ある人が10年前の交通事故により頸部の神経症状(後遺障害等級14級)の後遺障害を残したが、今回の交通事故により頸部打撲等の傷害を負い頸部の神経症状(後遺障害等級14級)の後遺障害を残した」というような場合を考えてみます。
 
この場合、既存の後遺障害が該当する等級と現存する後遺障害の該当する等級とが同じですので、自賠責保険における後遺障害として評価されないと考えられます。
 
しかし、頸部の神経症状(後遺障害等級14級)の場合、賠償実務上、症状固定日から5年から10年程度で就労への影響がほとんどなくなることが多いと考えられていて、賠償金算定時の逸失利益についても、通常は、3~5年程度しか認められていません。
そのため、1回目の交通事故発生から5年以上が経過しており、実際に、2回目の交通事故発生時点で、1回目の交通事故による後遺症による影響がほとんどないような状態であった場合には、訴訟を経ることで再度、後遺障害等級14級の認定を受けられる可能性があります(自賠責保険は認めません。)。
 
ご相談者のケースでは、自賠責保険では後遺障害等級の認定は受けられませんでしたが、民事訴訟を提起して主張・立証を尽くすことにより、後遺障害等級の認定を前提にした裁判上の和解(和解金約700万円)が成立しました。
 
複数回、交通事故に遭われている被害者の場合には、注意すべき事項が多いですので、弁護士に相談されることをお勧めいたします。
 
弁護士 桝田 泰司

むち打ち症の症状の証明について

2017/05/15

交通事故に遭われた後、むち打ち症により、首・肩・背中・腰等の痛みや、手足の痺れ等の症状が発生することがあります。
しかし、痛みや痺れは外見からは分かり難く、周囲の人にも正確に理解してもらえないことが少なくないです。
 
交通事故後の後遺障害認定や、裁判等の場面でも、被害者の方が訴える痛みや痺れ等の症状を、被害者ご本人の証言以外の手段で、如何に証明するかが大きな問題となります。
(ご本人の証言だけでは、自賠責保険でも、裁判でも重要視されません。)
 
被害者の方が訴える症状については、以下のとおり、他の客観的な事実と整合していることを明らかにすることで証明することとなります。
 
①自覚症状
被害者の方の訴える痛みや痺れ等の症状、すなわち自覚症状がどのようなものかということです。
まずは、被害者ご本人の証言が症状立証のスタート地点となります。
この自覚症状が、以下説明する客観的な所見等と整合しているか否かが大きなポイントとなります。
 
②画像所見
レントゲンの画像やMRIの画像に、事故により発生し①の自覚症状を裏付ける所見(椎間板ヘルニア等)が認められるか、すなわち自覚症状を裏付ける画像所見が存在するか否かが大きなポイントとなります。
 
後遺障害認定等の場面では、MRI画像上の所見が重視される傾向にあります。
また、MRI画像上の所見が交通事故によって発生したものであるか(外傷性のものであるか)を示す所見(画像上の信号など)は、事故後、短い期間で消失してしまうことが多いです。
したがって、事故から一定期間内(2ヶ月程度以内)にMRIを撮影しておくことが重要となります。
 
③神経学的所見
①の自覚症状を裏付ける神経学的所見が認められるかも大きなポイントとなります。
神経学的所見とは、医師によりなされる検査(部位によりさまざまな検査があります。)の陽性所見です。
したがって、症状が強く、なかなか軽快しない場合には、医師に神経学的検査をしてもらうことも重要になります。
 
④事故態様
事故態様も非常に重要です。
事故態様、車両の損傷状況(修理費)から、大きな事故であること、事故により被害者の方が大きな衝撃を受けたことを説明します。
そして、そのような衝撃であれば②の画像所見が生じたり、被害者の方に①の自覚症状が生じても不思議ではないということになります。
 
⑤通院状況、治療内容等
事故後の通院状況や治療内容もポイントです。
症状が強く辛い場合には、治療に行く期間や回数が多いはずであり、治療期間や通院回数が多いのは、①の自覚症状があるからだということに繋がりやすいです。
また、治療の内容も自覚症状を裏付ける重要な事実となります。
例えば、ブロック注射を定期的に受けていたということになれば、痛みがそれだけ強かったということの証明になります。
 
ただ、症状が強くて辛いにも関わらず、仕事等の事情でなかなか治療に行けないという被害者の方が多いのも事実です。
しかし、後遺障害認定等の場面では、そのような事情をあまり考慮せず、機械的に治療期間や通院回数を見て判断しているのが実情です。今後改善されるべき点でもあります。
 
以上の要素を基に、被害者の方の痛みや痺れ等の症状を証明していきます。
 
これらにより、被害者の方の症状が医学的に説明できる場合には、14級9号(局部に神経症状を残すもの)が、後遺障害として認定されることになります。
被害者の方の症状が医学的に証明できる場合には、12級13号(局部に頑固な神経症状を残すもの)が、認定されることになります。

「説明」と「証明」、似たような言葉ですが、後遺障害の認定の場面では、その意味が大きく異なっています。
 

繰り返しになりますが、痛みや痺れは、通常、目に見えません。
被害者の方の痛みや痺れ等の症状を証明するには、専門的知識を持った弁護士のノウハウを活用することが重要です。
ご心配がある方は、お気軽にご相談下さい。
 
弁護士 水梨雄太

プロフィール

当事務所は、交通事故の被害者側に特化した法律事務所です。交通事故事件に関する十分な専門性・知識・経験を有する弁護士が事件を担当致します。
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