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自賠責が可動域制限で後遺障害を認定した場合に、裁判所が自賠責よりも厳しい判断を示した裁判例

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自賠責保険で後遺障害が認定された場合、通常、その認定された後遺障害等級に応じた労働能力喪失率を主張して、相手方保険会社と示談交渉を行うことになります。
 
相手方保険会社から十分な提案がなされない場合、我々弁護士は、訴訟提起を検討することになります。
 
当然、訴訟提起すれば、後遺障害等級に応じた労働能力喪失率が認められて、さらに、事故日からの遅延損害金、弁護士費用相当額(損害の10%程度)が加算されることが念頭にあります。
 
しかし、相手方保険会社との任意交渉と異なり、訴訟においては、様々な資料が提出されることとなります。
被害者側だけでなく、加害者の代理人弁護士からも資料が提出されます。
加害者の代理人弁護士が送付嘱託を申し立てれば、事故後、症状固定までの間に通院した医療機関の医療記録は、ほぼ全て開示されることとなります。
場合によっては、事故前、あるいは症状固定後の医療記録も開示されることがあります。
 
そのことが、裁判の結果に大きく影響を与えることがあります。
より詳細な資料が提出されることで、より真実に近い認定がなされるということになりやすいのですが、そうならない場合もあります。
 
裁判所の判断が、必ずしも、真実を反映したものとは限りません。
裁判官は、証拠から厳格に事実を認定します。
証拠がない事実は、基本的に認定されません。
証明が難しいことは、例え真実であったとしても、裁判の結果には反映されないということが起こり得ます。
 
事案によっては、任意交渉で提示されていた賠償金の額よりも、裁判を通じて認められた賠償金の額の方が、少ないということが、生じ得ます。
 
そこで、我々弁護士は、訴訟提起をするにあたり、事前に様々な資料を精査・検討して、リスクが存在しないのか、検討する必要があるということになります。
 
少なくとも以下の点についての検討は必須といえます。
 
①症状固定時の可動域と診療録等の医療記録に記載された可動域に違いがないか。
 違いがある場合には、それが合理的に説明できるのか。
②主要運動ではなく、参考運動による認定ではないか。
③就労ないし収入への影響の実態(収入が事故後、短期的に増加していないか。)
 
以下、自賠責保険の認定した後遺障害等級よりも裁判所が厳しい判断を示した裁判例を紹介致します。
 
可動域制限で後遺障害が認定された事案で訴訟提起をする前には、必ず確認する必要がある裁判例といえます。