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桝田・丹羽法律事務所

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東京地裁平成25年1月11日判決

事案の概要

平成14年11月2日 受傷(原付バイクに乗車して交差点に進入、加害車両に衝突された)
平成23年6月11日 症状固定
 

診断名

左脛骨、腓骨開放骨折
 

自賠責保険の判断

→左足関節の可動域制限で、10級11号の認定
(屈曲・伸展の合計が2分の1以下)

 
屈曲 67 32
伸展 30 16
(全て他動値)
 

裁判所の判断(逸失利益)

喪失率 :0%
喪失期間:0年
 
事故時の職業:大学生(平成20年3月大学院卒業、同年4月就職)
 
平成22年の所得    820万4045円
平成23年の所得 1009万4841円
 
裁判所は、以下の点を重視して、将来における収入の減少の証拠がないと認定しました。
①被害者がプログラムマネージャーとして、デスクワークと外回りの業務に従事していること
②足をかばう歩き方をしているが、上司に歩調を合わせてもらう必要ないこと
 

弁護士の所感

本件では、症状固定まで、約8年半の期間を要しています。
そのために、就労への影響が短期的には見えやすいことになってしまっています。
しかし、逸失利益ゼロは余りにも厳しい印象です。
 
①収入が目に見えて増加していること
②現実の支障が少ないこと
これらに加えて、言及はされていないですが、参考可動域角度と比較すると大きな支障がないともいえることが判断に影響したと思われます。

             右     左     参考可動域
屈曲 67 32 45
伸展 30 16 20
合計 97 48 65
 
この事案の被害者は、足首が普通の人に比べて柔らかかったものと思われます。
そのために、10級認定されていますが、参考可動域をベースにすると、ギリギリ12級の領域です。
そうしたことも影響したのではないかと思われます。
 
したがいまして単純に健側との比較だけの視点で考えるのではなく、参考可動域と比べてどうかということも考慮する必要があるといえます。