東京地裁平成7年2月14日判決
事案の概要
昭和59年 9月 2日 受傷(自転車で横断歩道を走行中、右方から進行してきた車両に衝突された事故)
昭和59年10月 5日 退院
平成 3年11月25日 症状固定
診断名
脳挫傷疑、頭部外傷、頚椎捻挫、右半身打撲、右骨盤打撲、恥骨骨折疑、右下肢挫傷擦過傷、腹部打撲
裁判所の判断
自賠責保険では後遺障害について、非該当と判断されているものの、原告の頚部痛、上肢の痺れ感、右握力低下について、後遺障害等級14級10号に該当すると判断しています。
判断の根拠
裁判所は、以下の他覚所見が認められることを挙げて、原告の症状について、後遺障害等級14級に該当するとしています。
①本件事故後、症状固定までの7年に渡り、一貫して頚部痛を訴えている
②むち打ち損傷において散見される上肢の痺れ感がある
③右握力が11㎏と相当程度、低下している
それ以外にも以下の事情が裁判官の判断に大きな影響を与えたと推測されます。
①事故態様が自転車対自動車であること
②原告が、事故後7年もの間、通院を継続していたこと
③診断名から一定程度の衝撃を受けていると推測されること
④事故後、約1ヶ月間入院していること
本件では、事故後、約7年間、通院していたという事情が裁判官の心証に大きな影響を与えたと考えられます。